学校法人 大妻学院

学院の紹介

理事長メッセージ

理性に支えられた共感能力の涵養、そうした教育を、全力を挙げて追求する|学校法人大妻学院 理事長 伊藤正直

大妻学院の創立者大妻コタカが、千代田の地に裁縫・手芸の私塾を開いたのは1908年、20世紀のとば口に立った時のことでした。以来115年の刻を経るなかで、現在、本学院は、家政学部、文学部、社会情報学部、人間関係学部、比較文化学部の5学部、および短期大学部、大学院人間文化研究科からなる大学、千代田、多摩、中野、嵐山の4つの中高を擁する女子総合教育機関となりました。2018年度の創立110周年を契機として、本学院は、これからの大妻学院を展望する新たな将来構想、中期計画も策定いたしました。この中期計画に即し、全学的な学部改革を推進するとともに、2025年には、新たにデータサイエンス学部を設置することも決定し、現在、文部科学省に設置申請中のところです。コタカが理念とした「女性の自立のための女子一貫教育」、この理想が社会に受け入れられてきたことが、本学院のこうした発展を支えてきたといえましょう。

では、「女性の自立」とは、どのようなものでしょうか。手に職をつける「経済的自立」こそが「自立」の本質と捉えられがちですが、コタカは、「自己を正しく認識する」こと、そのために「自ら学ぶ」こと、「精神的な自立」を実現することが大切だと考えていました。自分で考え、自分で決定できるようにすること、主体的に物事をとらえられるような豊かな人格を形成することが、「女性の自立」のための条件だととらえていたのです。

「精神的自立」は、まず個の自立であり、個の確立です。しかし、このことは、自分さえよければいいということを意味するものではありません。本学院の校訓「恥を知れ」は、他人に向けたものではなく、「自分を高め、自分の良心に恥ずる行いをするな」という自分への戒めであります。これは、自己認識なくしてはなしえないものです。これを可能にするものが本来の自立です。人の喜びを喜びとし、人の悲しみを悲しみとし、人の怒りを怒りとできる人になって欲しい、さまざまの人間関係のなかで、自分の位置をきちんと確立して欲しい、そして、ひとに共感する能力を培って欲しい。理性に支えられた共感能力の涵(かん)養、私たちは、そうした教育を、全力を挙げて追求していく所存です。

同時に、初中等教育も高等教育も社会から負託されたものである以上、社会の変化に的確に対応することが要請されています。世界は、現在、大きな変動期に入っているようにもみえます。グローバル化が急速に進む中、新しい科学技術が次々に生まれ、国境を超えたヒト、モノ、カネの相互浸透が進む一方、格差の拡大や社会環境の悪化といった問題も起きています。こうした変化にきちんと対応できるような教育にも積極的に取り組んでいきたいと考え、そのための具体的方策も検討しています。

どうか引き続きのご理解とご協力をお願い申し上げます。

2024年4月

学校法人大妻学院 理事長
学校法人大妻学院 理事長 伊藤正直

PAGE TOP
  • 大妻女子大学・短大・大学院
  • 大妻中学高等学校
  • 大妻多摩中学高等学校
  • 大妻中野中学高等学校
  • 大妻嵐山中学高等学校